エンジニアの目で見たシドニー柔道

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今更ながら(^^;) シドニー柔道決勝・護身疑惑を問う。(2001/2/?)

標準ってなんだ?

表題と、ぜんぜん関係なさそうなところから、切り込んで見ます(^^;)
まずは、標準と言うお話。

何度かこのホームページで書いていますが、
僕の仕事はソフトウェア・エンジニアと言う仕事です。

ソフトウェア・エンジニアにとって、重要なのはプラットフォームだ、
と言うお話をこちらでしました。
ソフトウェアエンジニアにとってのプラットフォームとは、
プログラミング言語のことで、
その次がオペレーティングシステム(OS)で、
その次がハードウェア(パソコン、とか携帯電話、とか)じゃないかな、と思っています。

プラットフォームになっているモノとは、
要は、みんながそれが普通と考えることである、と言うことなんですが、
普通ったって、ある人のフツーが、他の人はフツーじゃないかも知んない。
ですが、エンジニアリングの世界でそんなことがあっちゃ、仕事が減りません(^^;)。
まずはエンジニア同士の共通認識を作る作業から仕事をしなくちゃになってしまいます。

それは、Java だろうと、C++ だろうと、
ちょっと違う Java とか、ちょっと違う C++ とか、
ひっじょーに困るわけです。

あの人の C++ は、僕の C++ とは違う、
なんて言われてしまったら、仕事になるものもなりません。

だから、『これが普通だよ』って、一つ一つ丁寧に文章にして書き起こします。
そういうのを『標準化』と言うわけですよね。
で、そういう仕事をしているところを標準化団体と言ったりします。
ソフトウェアを含む日本の工業に関する標準化団体は、
みなさんご存知の JIS (日本工業規格)です。
国際標準だと、ISO(国際標準化機構)です。
こちらのページを参照してみてください。)

ただ、こういったもにには権威と言うものが必要らしく、
『国際標準』と言っても、みんながそれに従うだけの権威っちゅうものがないと、
なかなか右向け右にはなれません。

従って、例によって(^^;)全般的にアメリカが強い。
実際、ソフトウェアに関しては、以下の2つをよく耳にしますが、
いずれもアメリカ主導の標準化団体です。
C/C++言語なんて言うのもこのあたりから標準化されています。

IEEE (アイ・トリプル・イーと読みます。米国電気電子学会。)
ANSI (アンジとかアンシ と読みます。米国規格協会。)


まぁ、なんか、各国標準化団体間で権力闘争とか、
Unicode とかで、大もめにもめていることとかあるらしいんですけど、
僕はあんまり詳しくありません(^^ゞ。

とにかくこれら活動のお陰で、僕らはある程度安心して、
エンジニアとして実装と言うことができるわけです。

また、Mac から送られた E-Mail を Windows の僕が受け取って
読めるのも、こちらでお話した、デジタル対文字の対応表が、
JIS標準として決められているからなわけです。

でも、なんだか、各国間でこの対応表にずれがあって、
困ったことになっているらしいんですが(^^;)
詳しい方、教えてください(ぼそり)

シドニーオリンピックの篠原・柔道誤審事件

今回は、少々トゲのあることを言ってしまいます(^^;)
反論等ありましたら、こちらまでお寄せください。
こう書いているということは、僕も実は自信ないわけです(^^;)

ちょっと前のことになりますが、記憶に新しいですよね。
シドニーオリンピックの柔道決勝で、篠原が誤審と思しき負け方をしてしまった、と言う話。

これって、多くの日本における報道機関、ホームページ上でも、
誤審だ誤審だ、って騒いでいるんですが…、
それって本当かなぁ、とか思ってしまうのって、僕だけなのかしら。

柔道は確かに日本から始まった競技です。
だから、日本人の柔道関係者がこぞっておかしい、って言うのは確かにおかしいんだろう、
って思います。

でも、問題の『内股すかし』っていう技、
こちらで見てみると、こう書いてあります。(以下の文章は、リンク先 Number 誌からの引用です)

〈内股〉は足ワザだが、〈内股すかし〉は手ワザで、相手が〈内股〉にきたところをかわして、その反動を生かし、利用して、手で投げる。手のコントロールが重要で、篠原選手の得意ワザのひとつだった

わからんっちゅーねん。

一応、僕も高校時代の体育の授業で柔道をやったことありましたが、
この文章だけだと、ぜんぜんどんな技なんだかイメージできません。
実際に篠原の柔道決勝戦をリアルタイムで見ていますが、
どのあたりが篠原の勝ちなのか、分かんないんです。素人ですから。

リンク先の Number 誌のページは、非常に良い指摘をしていると思います。
この技についての解説抜きに、誤審だ誤審だと騒ぎ立てるのは、
問題の趣旨を取り違えてしまいます。

重大な問題は、この『内股すかし』という技が、
IOC (国際オリンピック委員会)なりで、
ちゃんと標準化されていなかったんじゃないか?って。

こういったことが、どういった団体の調整で決められるのかは
僕はよく知らないのですが、国際的な競技である以上、
絶対どこかで行われている筈と思います。

勝ちに拘って闇雲に反論する前に、僕ら日本人はこの『内股すかし』と言う技について、
専門家の話を聞くなりして、よく理解するべきだったと思います。
その上で、本当にそれが技なんだとみんなが納得できるのであれば、
『国際標準化された柔道』と言うものに、柔道発祥の地、日本として、
標準に組み込んでもらうよう、正式に要請することが最優先だ、なんて思ってしまいます。

ちょっと理科系すぎな発想かしら(^^;)

標準である、と言うこと。

人間、みんな自分が正しいと思って生きてますよね。
でも一人一人価値観も違えば、立場も違う。
ときどき、そういうことから、人間同士の間でいろいろ不整合がおきてしまう。

だから、それらのズレと言うものを、お互いストレスを溜めないよう、
標準化、と言うことをするわけなんだと思っています。
それは法律だって同じこと、ですよね。

ある人は人殺しをしてはいけないと思っている。
ある人は人殺しをしても良いと思っている。
なんて、個人の価値観で動いてはいけない最も大きな例です。
そこにみんなの議論があって、
そして『標準』としての『法律』があるわけです。
で、その間には、民主国家としての『議論』があります。
また、明文化された『法律』を神様とした、
『法治国家』のあり方があるじゃないですか。

ただ、最初の章でもお話しましたが、
技術と言う、本当に正しいことが、正しくなる筈のフィールドでさえ、
標準化がままならない場面があったりします。
それは、権力闘争であったり、発言力の問題だったりします。
結果的に、技術的には何も正しくないものが、『標準』になってたりすることもあるのだそうです。

それは、現実問題として、確かにあるんだろう、と思います。
僕はいわゆるエリートではないので、詳しくはありませんが。

今回、かなりの長い時間、柔道関連のホームページを見て周りました。
みなさん、相当トサカに来ているのらしく、偉い反論の山です。
日本人の立場として怒るのは、ある程度当然と思います。

でも、もうちょっと冷静になろーぜ、って話なんですよ。
ドイエ選手だって、立場上、「本当はシノハラの勝ちだった」なんて
言えるわけないじゃないですか。
向こうだって、国の看板背負ってるんですから。

自分の立場を主張するのは良いと思うのです。
どんどんそうするべきなのです。
ユニークだって良いと思うのです。マイノリティだって良いと思うのです。

そこに、議論とか、調整とか言うものが入れて、
みんなが納得した、『標準』と言うものを作りませんか?
と。
だって、日本が作った競技じゃないですか。
この件は、ちゃんと説明すれば、日本の主張が通ると思うんですよ。
なぜ、これが誤審なのか。
『内股すかし』とはどんな技なのか。
多くの方のホームページを見ても、そういった議論が見られないのが、
なんとなく良くないことになっているような気がするのです。

以上、既に半年の前の話について、今更になってしまいますが(^^;)
エンジニアのビューとして、一石を投じてみます。


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